作成日:2021年12月11日
更新日:2022年03月01日
タロットカード小アルカナ【ワンド】のスートについて
はじめに
タロットカードは大アルカナ22枚と小アルカナ56枚の計78枚で成り立っています。
大アルカナの22枚は、それぞれまったく異なる絵が描かれていて、意味も異なっています。大アルカナはタロットカードのベースともなるカードなので、この22枚だけで占いを行うこともできます。
タロットカード初心者で最初のうちはカードに慣れるためにも大アルカナのカードだけで占ってみるのもいいでしょう。
そして、カードに慣れてきたらぜひ小アルカナのカードも含めて占って欲しいと思います。
小アルカナは、カードの枚数が多く覚えるのが大変そうに感じるかもしれません。しかし、小アルカナは数が多いだけで意外とカードの意味を覚えるのは難しくありません。
ざっくり分けると大アルカナは物事の本質や大きな出来事を表し、小アルカナはより日常的な物事を表します。つまり、小アルカナが導き出す答えはより身近で理解しやすいと考えることもできるのです。
占いの結果により具体的なものを求めるのであれば、小アルカナのカードは欠かせませんし、もしかしたら大アルカナのカードよりもリーディングしやすいかもしれません。
ぜひ小アルカナのカードにチャレンジしてください。
ここでは小アルカナのカードの概要についてと、小アルカナの中のワンドのカードについて説明していきます。
ワンドのカード以外のスートについては、次のリンクを参照してください。
ソードのスート
https://lunafactory.co.jp/blogs/yasashitarot/minor-arcana-suit-of-swords
ペンタクルのスート
https://lunafactory.co.jp/blogs/yasashitarot/minor-arcana-suit-of-pentacles
カップのスート
https://lunafactory.co.jp/blogs/yasashitarot/minor-arcana-suit-of-cups
タロットカード【小アルカナ】のカードって?
タロットカード【小アルカナ】のスート
小アルカナには4つのスートがあります。
・ワンド(棒)
・カップ(聖杯)
・ソード(剣)
・ペンタクル (金貨)
この4つのスートが物語になっていることには気づいていますか?
ワンドは木の棒です。
木の棒は、人間の活動にとって最初に必要になる火を起こすために必要なものです。原始の時代、木がなければ火を起こすことはできませんでした。火は夜の闇を照らし、料理のための道具になり、寒い時には私たちを暖めてくれるものでもあります。
火はエネルギーであり、なければ何も始まらないものでもあります。
ですから、ワンドのスートはスタートを表すカードです。
ワンドのカードで火を扱うことを覚えた人間が進歩し、次に心が成長していきます。心や感情の成長を表すのがカップのスートです。道具と心を得た人間は次に知恵がつき道具を作り出します。その知恵と道具を表すのがソードのスートです。
知恵がつき、道具を使うようになった人間は、家族や身内を守るために安全な環境と資産を持つようになります。資産は人間に物質的な繁栄をもたらすものです。
その繁栄を表すのがペンタクルのスートです。
このように4つのスートで人間の進化の過程が表されています。
タロットカード【小アルカナ】のスートの構成
各スートは1〜10の数字のカードと、ペイジ・ナイト・クイーン・キングの4種類の人物が描かれたコートカードの計14枚で成り立っています。
この構成には覚えがありませんか?
そうです、トランプによく似ていますね。
タロットカードがトランプの原型という説、トランプが大アルカナに加えられて現在のタロットカードになったという説、そもそもまったく関連性はないという説と様々です。
ワンドはトランプではクラブに当たると言われています。タロットカードとトランプの関係には諸説ありますが、関係があってもなくても、構成がトランプに似ていることには間違いありません。
カードのイメージを掴むときの参考にしてもいいでしょう。
スートの付られた数字にはそれぞれ意味があります。
1はスタート、2は安定したバランス…といった感じです。数字の意味の詳細は、各カードを参考にするとして、ここではざっとイメージだけ説明します。
数字 |
意味 |
1(エース) |
スタート |
2 |
バランス |
3 |
成長 |
4 |
中断 |
5 |
ステップアップのための修正 |
6 |
過去の結果 |
7 |
意外性 |
8 |
変化 |
9 |
目標達成前の自己探求 |
10 |
達成と新たな出発 |
スート独自の意味になることもありますが、基本的にはスートの持つ意味と数字の意味を組み合わせると自ずと小アルカナのカードの意味になります。
そう考えると意外と覚えやすいと思いませんか?
スートの意味も数字やコートカード の意味も、そのカードを見て抱くイメージから大きく離れてはいません。
自分自身のイマジネーションを大切にしながら、カードの意味を考えましょう。
タロットカード【小アルカナ】のエレメント
小アルカナの4つのスートは四大元素(エレメント)に対応しています。四大元素は古代ギリシャの万物は「火」「風」「土」「水」によって成り立っているという思想に由来しています。
ワンドは火、ソードは風、ペンタクルは土、カップは水に対応しています。
エレメントにも個別の意味があります。
詳細な意味については、各ソートのページをご参照ください。本ページでは、ワンドのエレメントである「火」についての解説を行います。
タロットカード小アルカナ【ワンド】の導き
ワンドとは木の棒を表します。木の棒はとても原始的な道具です。木の枝を単に利用したものがスタートです。進化とともに木を切り出して作る棒に変化していきます。
木の棒とは人間がいちばん初めに使った道具だとも言われています。木の棒を道具として使うという発想がなければ、今の人間の成長も発展もなかったでしょう。
それほど木の棒は大切な役割を果たしています。
そのため、ワンドのカードは生きるために手にした最初の道具として、生命力を表すスートとされています。木の棒を道具として使っていたときは、まだ木を加工して何かを作るという知恵も技術もありませんでした。
知恵や技術はなくても、木の枝を道具に使おうというアイディアは野心的で刺激的です。
木の棒は歩くときには杖となり、家を造る時の道具となり、火を起こして燃やすための道具となり、人間にとって最初の戦うための道具にもなりました。
このように人間が生きていくうえで必要な道具であり力であるのがワンドなのです。
ワンドには生きるためのパワーが秘められていると言われています。
小アルカナ【ワンド】のエレメント
ワンドのエレメントは「火」です。火と言われて何をイメージするでしょうか?
燃え盛る炎は熱く、情熱的で生命力にあふれています。力強くパワフルです。
火が私たちにもたらしてくれるものは、熱と明るさです。火の熱と明るさは、そのまま文明の発展につながっていますし、日本を含め世界中で神の象徴として扱われています。
それは火が
・日常生活に必要不可欠なものであること・不浄なものを焼き清浄にする
・闇を照らすことで善や知恵の象徴とされる光の源であること
といったことに起因しています。
それだけ火は生きていくうえで重要なものだということです。
ワンドのカードはそんな火の持つパワーや力を象徴するカードです。
西洋占星術でも各星座は4つのエレメントに当てはめることができます。西洋占星術で火のエレメントに当たるのは、牡羊座・獅子座・射手座です。
火のエレメントに属する星座の特徴は、自分の力や創造性を大切にし、物事の始まりを作ろうとする生命力やパワーにあふれた情熱的な星座です。
このイメージはワンドのカードにも通じますね。
小アルカナ【ワンド】の数字との関連性
各カードのリーディング方法はそれぞれのカードを参照していただきますが、ここではキーワードをまとめたので、参考にしてください。
数 |
キーワード |
リンク |
1(エース) |
出発点、創造する力 |
「リンク」 |
2 |
財産、昇進、二者択一 |
「リンク」 |
3 |
発展、繁栄、事業の成功 |
「リンク」 |
4 |
調和、リラックス、一段落 |
「リンク」 |
5 |
競争、力の融合 |
「リンク」 |
6 |
勝利、大きなニュースの到来、前進 |
「リンク」 |
7 |
優勢、勇気、交渉 |
「リンク」 |
8 |
スピード、チャンスの到来 |
「リンク」 |
9 |
用意周到、抑圧された状況での強さ |
「リンク」 |
10 |
限界、プレッシャー |
「リンク」 |
ペイジ |
忠実、人気者、潜在能力 |
「リンク」 |
ナイト |
活動的、チャレンジ、親しみやすい若者 |
「リンク」 |
クイーン |
気さくな女性、強く寛大、親切 |
「リンク」 |
キング |
威厳、寛大、懐の深い人 |
「リンク」 |
1から10の数字を見て何か気づくことはありますか?実ははそれだけでストーリーが成り立ちます。
ある男が旅立つことを決め、木の棒を手に出発しました。道中で様々な経験を経て少しずつ財産を構築し、事業を興し発展していきました。
事業も一段落したところで少しリラックスしていると、新たな競争が始まりました。
競争に勝利し、前進する時がやってきました。チャンスを手にするためにはスピード感が必要です。
競争の中で強さを見せますが、最後は自分1人の力に限界を感じ始め、ほかの人と協力する必要性を感じるのです。
そして物語は2番目のスートであるカップへと続いていきます。
このように小アルカナのカードは物語を紡いでいます。
タロットカード小アルカナ【ワンド】のカードを使ったリーディング
ワンドのカードがでた時のリーディングの例を見ていきましょう。ここではワンドの1(エース)を見ていきます。
キーワードに占うテーマにピッタリ合う言葉がなくても、連想していくことがリーディングのポイントです。
恋愛におけるワンドのエースの解釈
キーワード:婚約・結婚、出産
ワンドの1は、「出発点」や「創造する力」を表すカードです。それを恋愛に当てはめると結婚や出産になります。
付き合っている2人であれば結婚に繋がる婚約となります。
片思いであれば新たな一歩を踏み出す日が近いことを表しています。
新たな環境への移り変わり、新しい関係の始まりを表すのがワンドの1のカードです。新しい関係の始まりや、新しい生命の誕生など、あらゆるスタートを表します。
仕事におけるワンドのエースの解釈
キーワード:新規開拓、挑戦・成功、投資
仕事におけるワンドの1は新しいキャリアやプロジェクトのスタートです。新しい事業を始める、新しい職種にチャレンジしてその報酬を得る、などです。
仕事は順調に進んでいくことを表しています。
もしも就職や転職を考えているのであれば、行動に移して良い方向に進んでいく可能性があります。仕事をしているのであれば、新しいアイディアがあればそれが認められます。
特に仕事におけるリーディングでは、ワンドのエースの有無で次の一歩を踏み出していいかどうかを確認できます。
お金に関するワンドのエースの解釈
キーワード:投資の開始、新しい収入の柱
新たに貯金や節約、投資を始めるチャンスです。新たな収入の柱ができるなど、チャンスが生まれ育ってくる時です。資産形成を考えたり、お金を増やしていくモチベーションが生まれる時と考えることができます。
人間関係に関するワンドのエースの解釈
キーワード:出会い、人脈の構築、人間関係の向上
今まで苦手だった人との付き合い方が変わっていったり、他人とかかわることがよりポジティブになっていくことを表しています。今まで話をしたことがない人と話して新しい人間関係を構築することで、良いアイデアが生まれる可能性を示唆しています。
まとめ
ワンドのカードは生命力、情熱、パワーを表すカードです。生きる力そのものと言ってもいいでしょう。最初は単なる木の棒でした。それを道具として使うこということを思いつき、そこから火が生まれて単なる木の棒が必要不可欠なものとなりました。
私たちの生活から火は切っても切り離せないものです。火がなければ夜は闇のままです。
火がなければ料理をすることができず、あるものをそのまま食べることができません。それほど大切なものが火であり、その元となる木の棒なのです。
このパワーを人間関係や恋愛に当てはめると、新たなスタートや人間関係の始まりなどになります。
新しく物事を始めるのにはエネルギーが必要です。
新しい環境、新しい人との出会い。そしてそのエネルギーを育てていくのがワンドのカードなのです。
占いのスプレッドのとき、ワンドのカードが多く出るときは、エネルギッシュで行動的なイメージになります。情熱を持って物事に対していく、そんな力強さがあらゆる場面で発揮することを示唆していると言っていいでしょう。
ワンドはどのカードが出ても、この新たな始まりや情熱やパワーがキーワードになることを頭にリーディングしてみてくださいね。