作成日:2021年12月24日
更新日:2022年03月01日
タロットカード小アルカナ【ペンタクル】のスートについて
はじめに
今回はタロットカードの「ペンタクル」について解説します。
タロットカードの「ペンタクル」と聞いて、すぐにピンとくる方は少ないのではないでしょうか。
タロットカードは「大アルカナ」22枚と「小アルカナ」56枚の計78枚で構成されています。
今回の記事で解説する「ペンタクル」は、「小アルカナ」にある4つのスートの中のひとつです。
各スートにはそれぞれ1から10までの数字カードとペイジ、ナイト、クイーン、キングの人物カードがあり、各数字と人物に異なる意味があります。
「小アルカナ」は枚数が多く、「大アルカナ」と違ってカード1枚1枚の意味が直感ではわかりにくいと思われがちです。
ですがスートと数字の意味を組み合わせて、そのカードが何をあらわしているかを読み取っていくと、意味が覚えやすくなるでしょう。
今回の記事で「ペンタクル」の意味を覚えて、これからのタロットリーディングにぜひ役立ててください。
小アルカナとは
タロットカードと聞くと「恋人」や「運命の輪」「塔」といったカードをイメージされる方が多いと思います。
「恋人」や「運命の輪」など、それぞれのカードに名前がついているカードは、タロットカードの中で「大アルカナ」と呼ばれる種類のカードです。
多くの方が「タロットカード」と聞いてイメージするのは、この「大アルカナ」のカードでしょう。
タロットカードにはこれらの「大アルカナ」のほかに、もうひとつ「小アルカナ」という種類のカードがあります。
「大アルカナ」で物事の大まかな流れを見て「小アルカナ」でさらに細かい部分を見るというのが、基本的なタロットカードの読み取り方です。
「小アルカナ」は4つのスートに分かれていて、各スートに13枚、合計52枚のカードがあります。
スートとはトランプでいうハート、スペード、ダイヤ、クラブのことで、今回解説する「ペンタクル」はトランプでいうとダイヤと同じ意味を持つスートです。
タロットカードには「ペンタクル」のほかに、「ワンド」「ソード」「カップ」というスートがあります。
ペンタクルの意味
ペンタクルは、タロットカードの種類によっては「コイン」「ディスク」と呼ばれていることもあります。
「ペンタクル」とは「五芒星」のことです。子どものころによく一筆書きでかいた星、といえば想像がつくのではないでしょうか。
ペンタクルのカードすべてに描かれている金貨の模様が「五芒星」だということから、この呼び名で呼ばれることが多いのです。
「ペンタクル」があらわす意味を以下にまとめました。
お金、物質、財産、持ち物
形になるもの
肉体
我慢強い、地道、堅実
現実的、実際的、物質的
人間が生きていくためには食べるものや着るもの、住む場所が必要です。
それらの価値をわかりやすくあらわすために、人間は「金貨」を作り出しました。
自分たちが生きていくために必要なものを金貨と交換し、それを維持するための対価を金貨で支払うことで、私たちは豊かな生活を送ることができます。
金貨を金貨のまま持ち続けていても、生活を豊かにすることはできません。
「ペンタクル」はお金や財産などといった金銭的な豊かさのほかに、持ち物や資産など実際に存在する物質で得る豊かさという意味もあらわすのは、このような理由からです。
またコインに描かれている「五芒星」は人間の頭、両足、両手を簡単にあらわしたものということから、ペンタクルのカードを「肉体」という意味で読み取る場合もあります。
そこからさらに発展させて「ペンタクル」は、人間の生のサイクル、また自然がもたらす季節や時の流れのサイクルをあらわすという考え方もあるのです。
肉体やお金、お金を払うことで手に入れられるものや、体験できることというのは、私たち人間が豊かに生きていくうえで必要不可欠なものです。
金貨をモチーフにした「ペンタクル」のカードは私たち人間の人生に直接関わってくることから、私たちの生活や生態の全般をあらわしているスートだといえるでしょう。
「ペンタクル」のエレメントについて
タロットカードの小アルカナを構成する4つのスートには、それぞれに「エレメント」と呼ばれる属性があります。
エレメントとは「四大元素」という意味で、私たちが生きているこの世界のものはすべて4つの元素からできているという考え方をもとにして割り振られているものです。
星座占いでよく使われる言葉なので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
「ペンタクル」は「地」のエレメントに属しています。
星座でいうと、牡羊座、乙女座、山羊座と同じエレメントです。
「地」はいつでもそこにどっしりと構え、上に立つすべてのものを支えています。
タロットカード小アルカナを構成する4つのスートの中で「地」のエレメントに属する「ペンタクル」は、もっとも現実を見ていて、まさに「地」に足のついた、安定を感じるカードだといえるでしょう。
各エレメントの相性
「ペンタクル」が「地」のエレメントだということは先ほど説明しました。
タロットカード小アルカナの中で「ペンタクル」以外の3つのスートは、以下のエレメントに属しています。
「ワンド(棒)」は「火」
「ソード(剣)」は「風」
「カップ(杯)」は「水」
これらのエレメントには相性があり、お互いに影響を及ぼし合っています。
「ペンタクル」のエレメントである「地」は、同じ「地」のエレメントに属するカードと組み合わされると、占い結果に対する影響力が強くなるのです。
また「地」は「水」が流れることで潤い生命力が増すことから、「地」のエレメントと「水」のエレメントは相性がいいといわれています。
これからタロットカード占いをするときには、エレメントの相性もぜひ参考にしてみてください。
ペンタクルの物語
小アルカナには4つのスートがあり、各スートには1から10までの数字カードがあることは、先ほど説明しました。
各スートにある1から10までの数字には、それぞれ意味があります。
スートのモチーフの意味と数字の意味を組み合わせることによって、スートの中で1から始まり10で終わる物語ができあがるのです。
「ペンタクル」の物語はこのようなものです。
ある一人の人が努力して労働し、報酬を手に入れます。
努力の末、手に入れた報酬、また実力や能力で、その人の環境はどんどん良くなっていき、ついに大きな仕事を任されるチャンスが巡ってきました。
努力して真面目にこつこつ取り組んだ結果、仕事は大成功をおさめます。
しかし莫大な報酬を手に入れたことにより、その人は努力を怠るようになってしまったのです。そのせいでこれまで豊かだった生活が、一転して苦しいものになってしまいました。
苦しい生活を経験したことで、その人は心を入れ替えます。これまでの自分の態度を反省し、また努力して仕事をするようになったのです。
ゆっくりだけど真面目にこつこつ仕事をしていくうちに、その人はまた周りから評価されるようになります。
最終的にその人は地位と名誉を手に入れ、自分のお城で温かい家庭を築くことができました。
それぞれのスートの根底に流れる物語は、私たちに大切な「何か」を伝えてくれています。
「ペンタクル」の物語が私たちに伝えてくれているのは、お金や「もの」とどのようにつきあっていけばいいのか、また私たちが社会の一員としてどのような関わり方をしていけばいいのかということなのです。
どういう読み取り方をしたらいいのか
ここまで「ペンタクル」のスートの意味や物語について説明してきました。
ではタロットカード占いをしたときに「ペンタクル」のカードが出たら、どのような読み取り方をすればいいのでしょうか。
タロットカードの小アルカナは、スートと数字、または人物の組み合わせで意味が決まります。
そのため細かい意味に関しては、そのカードごとの解説をご覧いただくとして、今回は「ペンタクル」のカード全体に通じる大きなテーマについて解説します。
まずは「ペンタクル」のモチーフになっている金貨、つまり「お金」です。
例えば人間関係をタロットカードで見たときに「ペンタクル」のカードが出たら、その関係に金銭的な事情が大きく関係してくる可能性がある、と考えられます。
あるいはその「お金」を手に入れるための「仕事」について、何かを伝えてくれているのかもしれません。
「ペンタクル」の物語のテーマは「真面目にこつこつ取り組むことで成功を得られる」ということでした。
その物語のように、私たちも地道にこつこつと仕事に取り組めば、良い結果を残すことができるでしょう。
また「お金」は、私たちの生活と切り離すことができない大事なものです。
このことから「ペンタクル」は私たちの日常、毎日の生活について、何かを教えてくれている場合もあります。
地味で目立たない作業でも努力を惜しまず真面目に取り組むことで、心身ともに豊かな生活を送れる結果につながっていくのです。
また「ペンタクル」は「地」のエレメントに属していることから、「落ち着いている」「冷静」という読み取り方もすることもあります。
どのような状況にいても、落ち着いて冷静に、自分がするべきことを地道に続けていれば、いつかいい結果につながるはずです。
「ペンタクル」のカードは私たちに「お金」「仕事」「日常のさまざまなこと」について何かを伝えてくれています。
もし読み取り方が分からず迷ってしまったときには、人間関係、金銭的なこと、仕事の状況など、現在、自分がどのような環境に置かれているのかを考えながらカードと向き合ってみるといいでしょう。
あなたが今より輝いて生きていくためのヒントを「ペンタクル」のカードは教えてくれているはずです。
ペンタクルが多く出るときの意味
タロットカード占いをしていると、なぜだか同じようなカードばかりが出てくることがあります。
もしそのようなことが起こったら、いつもよりそのカードの意味に注目して、占い結果を読み取ってみましょう。
おそらくタロットカードは、あなたにそのことを特に伝えたいはずだからです。
では、もし「ペンタクル」のカードが占い結果に多く出ることがあったら、私たちは何に注意してその意味を読み取ればいいのでしょう。
まずは「ペンタクル」のモチーフになっている「お金」です。
もし「ペンタクル」のカードが占いの結果に多く出た場合、金銭的な何かが要因として大きく関わってくる可能性があります。
人間関係や仕事、日常生活で、お金に関することが大きなポイントになってくるかもしれません。
あるいは「ペンタクル」のカードに流れる大きなテーマ「真面目」「地道」「こつこつと」ということを、タロットカードがあなたに特に伝えたいとも考えられます。
一見目立たないと思うことでも真面目にこつこつと取り組めば、それはいつか大きな結果につながり、周りから良い評価をもらうことができるでしょう。
いつでも地道に努力しているあなたを、タロットカードは見守り、応援してくれているのです。
「ペンタクル」のカードはお守りとしても使える
「ペンタクル」とは、カードに描かれている金貨の模様である「五芒星」のことです。
西洋では紀元前3000年頃に書かれたとされるメソポタミアの書物に「五芒星」が描かれており、これが世界最古の「五芒星」といわれています。
「五芒星」は西洋でも東洋でも昔から魔除けの護符として使用されており、日本では陰陽師、安倍晴明が使っていた呪符として有名です。
先ほど、タロットカード小アルカナの各スートに割り振られたエレメントについて解説しました。
エレメントとは、この世界に存在する四大元素のことをいいます。
「ペンタクル」のエレメントである「地」と「火」「風」「水」そこに「霊」を加えた5つのエレメントが「五芒星」の5つの頂点に対応すると西洋では考えられており、そこから「五芒星」が魔除けに使われるようになったのです。
この「五芒星」が描かれた「ペンタクル」のカードをお守りとして持ち歩けば、あなたを悪いことから守ってくれるでしょう。
またカードが持つ本来の意味から「金運」「仕事運」「家族運」のお守りとしても、「ペンタクル」のカードは効果が期待できます。
今回は「ペンタクル」全体の意味から、お守りとして効果的な持ち方を解説しました。
スートと数字や人物と組み合わせた意味を見て、今のあなたがもっとも求めている結果をあらわすカードをお守りにするのもおすすめです。
まとめ
今回はタロットカードの小アルカナ「ペンタクル」について解説しました。
「ペンタクル」とは「コイン」「ディスク」とも呼ばれる、「金貨」をモチーフにしたスートです。
金貨の中に描かれている「五芒星(ペンタクル)」から、一般的に「ペンタクル」と呼ばれるようになりました。
「ペンタクル」のカードにはモチーフそのままの「お金」という意味のほかに、お金を支払うことで手に入れられる物質的な「もの」、それによって得られる「豊かさ」などの意味があります。
それ以外にも「五芒星」が人間の肉体を簡単にあらわした形であることから「肉体」「命のサイクル」などといった読み取り方も可能です。
また「ペンタクル」は「地」のエレメントに属しているので、「地道」「真面目」「こつこつと」というような意味も持っています。
タロットカード小アルカナの4つのスートの中で、もっとも現実的で安定感のあるスートだといえるでしょう。
タロットカード占いで「ペンタクル」のカードが出たときには、「お金」に関することが結果に大きくかかわってくるかもしれません。
あるいは仕事に関することや日々の生活に関することで、アドバイスや励ましをくれている場合もあります。
たとえ今は目立たなくても、やるべきことを地道にこつこつ続けていれば、いつか大きな結果が出せるはずです。
「ペンタクル」のカードは、真面目に努力しているあなたをいつも見守り励ましてくれています。