タロット:14.節制の意味解釈【プロ占い師監修】

大アルカナ:14.節制

 


全部で78枚のタロットカードの中で特によく使われるのが「大アルカナ」と呼ばれる22枚のカードです。英語ではMajor Arcana(メジャーアルカナ)といいます。


大アルカナだけを使用する占いの仕方もありますし、さまざまなモチーフとしても大アルカナは使われることが多いので何となく絵柄は知っている、という方も多いのではないでしょうか。


0「愚者」から始まった物語は21「世界」で完成を迎えます。
完成を迎えたものはまた新しいステージの0から旅を始めます。そうやって螺旋のように成長していく様子を「章立て」で表すのが大アルカナです。「章立て」なので大まかな運気の流れを読むことに適しています。


今回の記事では大アルカナの14番目のカードである「14.節制」の意味や解釈、逆位置の捉え方などをお伝えします。
最後までぜひご覧ください。

 

タロットカード【14.節制】とはどんなカード?

【14.節制】のカードについて

大アルカナ22枚が人間の肉体や精神・魂を成長させより完全なものへと錬成していく錬金術のような工程を表していますが、この節制から読み取れる「水を移し替える」作業はまさに錬金術の基本である調合といえます。



Aというエレメントをカップからカップへと移し替える、つまり2つの相対するものへと物質を移し混ざり合わせることで新しいものを生み出す行為そのものです。



この相対するものを結合させる仲介者こそ人知を超えた存在、すなわち天使と解釈されるのです。この天使は大天使ミカエルであるとされ、四元素である火・風・水・地(ワンド・ソード・カップ・ペンタクルス)をひとつにまとめあげ、調和された世界を形作っています。ゆえに節制のカードは調整や規律と節度、慈愛と献身を表しているのです。



伝説的には、大天使ミカエルは火と水を混ぜている、またはワインを水に変えていると考えられていました。【14.節制】のカードも日常的なものを変換して、私たちが持つ認識と力を増加させてくれる不思議なパワーを理解するために重要なカギになります。



 

【14.節制】に秘められたイメージストーリー


大天使ミカエルが四元素をひとつにまとめあげ調和のとれた状態を表現しています。このカードの象徴を理解するには「魔術師」のカードとの違いを比較することがポイントとなります。魔術師のカードではテーブルの上に四元素を並べ、何かをしようとしているところでした。



さて、この天使はどうでしょうか?魔術師はまだこの四元素を使いこなしているところまで描かれているのではなく、あくまで使いこなせる能力・技術力を持つと表現されていました。一方この天使は四元素を手にして、絶妙なバランスで使いこなしているように読み取れます。能力や技術を超えた、知恵や応用力を感じ取れますね。


この天使が手に持ったカップからカップへと水を流しています。混ぜ合わせて何かを作っているようにも見えますね。何かと何かを混ぜ合わせ新しいものを生み出すという作業は知恵や技術力だけでなく、柔軟に対応できる器用さや能力も必要になっていることを示しています。


柔軟さと器用さ、そしてバランス感覚こそが偉大なパワー・力となるということを知らせてくれているようにも感じます。穏やかな表情の天使は、人の魂の成長を見守るかのようにこの世界のバランスと魂の調和を助けてくれているようです。

 

実際のリーディングから読み取るワンポイントアドバイス


知恵を絞る必要があるときや良い知恵・アイディアが浮かびそうなときに出てきやすいカードです。その場合、お金やリスクをかけずに、つまり今手元にあるもので何かを作り出したり、人にアピールできたりすることを示唆しています。


また【14.節制】のカードはいて座に対応しています。実際のリーディングではこのカードをインターネットにおけるコミュニケーションを指し示すと読むことがあります。いて座は興味の対象へと飛んでいくスピードが速いため、そのイメージからすると納得できますね。

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【14.節制】が出たときの意味

 

このカードが出たときは、天使が入れ替えている水が、質問における何を意味しているのか考えてみましょう。水のエレメントが示すように愛情や感情、生命力かもしれません。また2つのカップは何を象徴しているのでしょう 。「愛情から結婚へ」、「あなたから相手へ」、あるいは「オンからオフへ」、「別の視点から見つめ直す必要性」と解釈できるかもしれませんね。

 

正位置の意味

キーワード:応用力の発揮・柔軟性の発揮・調和・適切な処置・平和的解決


とても穏やかでバランスのいい状態です。私利私欲にかられることなく、キチンと自分自身をコントロールしていて、今の生活に幸せを感じとっているでしょう。人間関係でもあなたを中心に調和が生まれているはず。もしも問題があったとしても、優れたバランス感覚を生かすことで解決に導かれていくでしょう。

逆位置の意味

キーワード: 折り合いがつかない・不調和・気の回しすぎ・事なかれ主義

 


カップから水があふれたり、こぼれてしまうような状況です。方向違いの努力をしていたり、コントロールできないものに振り回されているかもしれません。自分の想いばかりを優先するあまり、周りの人たちに目がいかなくなってしまい折り合いがつかなくなってしまったり、逆に気を遣いすぎてあなた自身が心身ともに疲れてしまっているかもしれません。


逆位置が出た際はクールダウンする必要性を教えてくれていたり、心身ともに休息が必要だったり、自分自身を律することを思い出して、という意味が隠されている場合もあります。


そもそも逆位置とは正位置のパワーや意味合いを持ちながらも、そのパワーが空回りしてしまっていたり、うまく使いこなせていない場合に出ることがほとんどです。もし、逆位置が読みづらい場合は以下のようにして読んでみましょう。

1.まずは正位置のまま解釈してみる
2.なぜ今、正位置のようなエネルギーが発揮できていないのかを考える
3.2を発展させ以下のように読んでみる
 ・正位置の解釈が薄れている
 ・正位置の解釈が裏目に出ている、反対の方向に進んでいる
 ・正位置の解釈がうまく発揮できていない

あまり理屈で考えると帰って言葉が出てこない場合があります。どれが理屈に合うか、よりも目から得られる情報や呼び覚まされる感覚、ご相談者様もしくはご自身との対話を何よりも大切にしてリーディングしてください。

 

タロット占いでの【14.節制】の解釈<相手の気持ち・仕事>

相手の気持ちについての占いの解釈


正位置の場合

 

相手の気持ちについて占っているとき、【14.節制】のカードが正位置で出た場合は、「献身的な愛情が功を奏する」と読み解くことができます。


自分の気持ちよりも相手や友人の意見を聞きながら、周りを尊重していくことができれば、二人の仲を順調に育んでいくことができます。さらに、節制が出た相手については裏表のない誠実な人柄であることが多いです。相手もあなたに対して関心を持っていて、心を開いていたり、もっとあなたのことを知りたいと感じています。


また、カップからカップへと水が移し替えるさまは愛情(水)が次のステージへと進んでいくことも示唆しています。片想いなら両想いへ、恋人関係なら結婚へ。愛情にあふれた穏やかな生活がまっていくことでしょう。

 


逆位置の場合


相手の気持ちについて占っているとき、【14.節制】のカードは、どうしても衝動や感情に駆られてしまい、相手とのバランスが崩れてしまいがちな時に出てきやすいです。


たとえば相手が仕事で忙しいのを知っているのに寂しさからわがままをたくさん言ってしまったり、相手からの愛情ばかりを求めて自分から愛情表現をせずにいたり、逆に相手が好きだからと言いなりになってしまっていたり、我慢しすぎてありのままの自分を出せていないなど、二人の気持ちのバランスを冷静に見直す必要があります。


もともとは正位置の優れたバランス力を持っているのですから、冷静になってあなたが自分の気持ちを上手にコントロールできれば二人の間に流れる空気感は穏やかなものへと変わります。

 

仕事についての占いの解釈


正位置の場合

 

仕事について占っているとき、【14.節制】のカードが正位置で出た場合は、影の努力が認められたり、物事が順調に進んでいることがわかります。経験を積み、全体を見渡して仕事をすることができているため、仕事とプライベートの両立もでき、張り合いのある毎日が送れているでしょう。


単純作業や同じようなことを繰り返すような業務でも集中して取り組めるため、精度をあげられているはずです。より一層能力アップや時間の有効活用に力を注げばますます活躍していけます。


イレギュラーな問題が起こったとしても、冷静さを欠くことなく対応できる柔軟さ・臨機応変さも備わっています。成長を実感できるため、周囲からの信頼も高まりやすい時期です。


商談やプレゼンなども、お互いの主張を認め合い折り合いがつくことでより良い結果を生み出していくことができるでしょう。あなた自身は調整役として立ち回ることが求められるかもしれませんが、優れたバランス感覚を持つ今、実力を発揮できるため周囲と調和を取りながら物事を進めていくことができます。


独立や転職についても、順調に進めていくことができるため、あなたが求める条件の職場や職業が見つかる暗示です。あなた自身当たり前に思っている知識や技術であっても転職希望先で高い評価を得ることができます。惜しまずに自分をアピールしていきましょう。


また資格試験を受けたり、今まで経験したことのない分野にチャレンジするにもぴったりの時期です。さらなるスキルアップにつながります。


このカードを職業でいうと、適切な判断力や柔軟性が求められる医療や教育の現場が向いています。飲食関係の仕事やボランティア活動にもご縁がありそうです。


逆位置の場合

 

仕事について占っているとき、【14.節制】のカードが逆位置で出た場合は、生活のリズムも乱れ、バランスが崩れがちになりそうな暗示です。集中力も続かないため仕事に身が入らなかったり、凡ミスをしやすいので注意が必要です。


ある程度仕事に慣れてきたがため、なあなあになってしまったり、生活習慣の乱れから心身ともに疲れてしまい仕事に集中できなかったりとエネルギーが少なくなっている状態にあります。


こんな時は一度立ち止まってだらだらしたい気持ちをコントロールしたり、しっかりと休養をとったりしながら再度計画を見直してみましょう。


独立や転職で読み解くと、希望している先はあなたが求める条件にぴったりとはいえないかもしれません。あなたの能力を十分に生かしきれない職場だったり、高望みしすぎている場合もありそうです。実力やキャリアが見合わなさそうな場合は無理をせず、着実に実力をつけられる環境を選びましょう。


物事を別の視点から見てみることもおすすめです。調和がとれる力は持っているので、自制や献身さえすれば、物事はスムーズに進んでいくことができますよ。

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まとめ

タロットカードの【14.節制】は調和や応用力・柔軟さを意味しています。



正位置の場合は心身の調和がとれていて、自分の欲を適度に律することができる状態です。穏やかな時期なので、今ある幸せを感じとって満たされています。



逆位置の場合では、欲望をコントロールできなかったり、我慢しすぎて調和がとれていない状態や心身の疲れから不調和を感じていることを暗示しています。自分を律する気持ちを思い出したり、心身ともに休養を必要としていたりと一度立ち止まってバランスを冷静に見つめ直す必要があります。


節制の前のカード【13.死神】で身を切るようなつらさや劇的な変化、死という浄化作用を通過した魂が、新しいエネルギーへと生まれ変わるような姿を現すアルカナで、そのイメージ通り調和とバランスを意味しています。


水がカップからカップへと移されるさまは「無意識だったことが意識化される」という意味もあります。日々、坦々と繰り返し努力すること・欲張らずに節度を保つこと・中庸な自分をキープすること。実は幸せとはこのような節制の上にこそ成り立つものです。


すべては何気ない日々の努力の積み重ねによって育まれている、ということを教えてくれるカードです。


タロットカードの【14.節制】が教えてくれる意味や解釈をしっかりと理解してあなたの行動指針にしてくださいね。

 

 

この記事を書いた人
ルナファクトリー編集部

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