作成日:2022年11月02日
更新日:2022年12月04日
【ルノルマン】グランタブローでの占い方【プロ占い師監修】

はじめに
ルノルマンカードは19世紀に生まれた新しい占いです。そのため、これまでになかったようなスプレッドがあったり、独自のスプレッドを考案されたりする場合も少なくないそうです。
スプレッドとは占いでカードを並べる方法のことです。
質問に適したスプレッドを選ぶ方が、適切なメッセージを受け取ることができ、慣れれば、使い分けることも難しくありません。いろいろなスプレッドを使えると占いの幅が広がると言えるでしょう。
今回は、ルノルマンカードのグランタブローというスプレッドをご紹介します。

占いを始める前に
まず、占う内容を決めます。
占う内容によっては、キーカードも決めます。キーカードとは、その質問に対応するカードという意味です。
ワンオラクル(1枚引き)や運勢について占う場合は、キーカードを決めませんのでご注意ください。
キーカードを決めると、その質問で注目するカードが明確になり占いをスムーズに進めることができます。
恋愛に関する質問なら、人物カードやハートのカードがキーカードになり、仕事に関する質問なら、錨(いかり)のカードになります。
下記のキーカードの一覧表を参考に、キーカードを決めてください。
当てはまるものがない場合は、カードの意味から類推して決めてくださいね。
<キーカード一覧表>
番号 | ルノルマンカード | 質問内容 |
1 | 騎士 | 出会い チャンス |
2 | クローバー | ラッキー 小さな幸せ |
3 | 船 | 旅行 |
4 | 家 | 家 家庭 |
5 | 木 | 健康 |
6 | 雲 | 不安 |
7 | ヘビ | 女性 ウソ 悪意 |
8 | 棺(ひつぎ) | 中止 停滞 |
9 | 花束 | お祝い事 感謝 |
10 | 鎌(かま) | ハプニング 危険 |
11 | 鞭(むち) | 口論 ケンカ |
12 | 鳥 | 知識 コミュニケーション |
13 | 子ども | 子ども 新しいこと |
14 | キツネ | ウソ 詐欺 |
15 | クマ | 父親 上司 権力 パワー 嫉妬 |
16 | 星 | 希望 願い |
17 | コウノトリ | 引っ越し 変化 妊娠 |
18 | 犬 | 友人 援助 |
19 | 塔 | 孤独 建物 |
20 | 庭園 | パーティ 人脈 |
21 | 山 | 障害 妨害 乗り越えるべき課題 |
22 | 道 | 選択 決断 |
23 | ネズミ | 紛失 盗難 |
24 | ハート | 恋愛 |
25 | 指輪 | 結婚 絆 |
26 | 本 | 秘密 本 |
27 | 手紙 | メッセージ インターネット |
28 | 紳士 | 男性 |
29 | 淑女 | 女性 |
30 | ユリ | 家族 セクシャリティ |
31 | 太陽 | 成功 栄光 |
32 | 月 | 感情 情緒 センス |
33 | 鍵(かぎ) | 確実性 安全 |
34 | 魚 | お金 財政 |
35 | 錨(いかり) | 仕事 労働 |
36 | クロス | 宿命 |
質問内容とキーカードが決まったら、カードをシャッフルしてカットすれば占う準備は完了です。
シャッフルとは、カードをよく切ることで、トランプのように片手でカードを持ち、下のカードから数枚を上のカードに重ねる方法と、テーブルの上でカードを混ぜる方法があります。
ルノルマンカードは逆位置をとりませんので、カードを開いたときに同じ方向になるトランプのような切り方が扱いやすいかもしれません。
カットとは、シャッフルして1つに束ねたカードを、3つに分けて、同じ順番にならないようにもう一度1つに束ねることです。
ルノルマンカードのスプレッドにおいて、右手を未来、左手を過去と読む方法と、人物カードの顔が向いている方向を未来、後ろ側を過去と読む方法があります。
どちらでも構いませんが、どちらかに決めるようにしましょう。
今回は、人物カードの顔が向いている方を未来としています。
グランタブロー
ルノルマンカードの代表的なスプレッドの、グランタブローを説明します。
グランタブローは、36枚のルノルマンカードを全部使ったスプレッドですが、リーディングするのはその一部になりますので、あまり難しく考えすぎることはありません。
下記のリーディングの手順のすべてができなくても、大まかなメッセージを受け取ることができるのが、ルノルマンカードの良さだと言えるでしょう。
グランタブローで占う手順
- 占う内容と本人カード、キーカードを決める。
- シャッフルしてカットする。
- 左上から順にカードの表を向けて、9枚ずつ4段に36枚すべてのカードを並べる。
- キーカードを確認し、下記のリーディングの手順を参考に解釈する。
グランタブローのリーディング手順を説明します。
① 本人カードとキーカードに注目します。
本人カードとキーカードの距離が近いか遠いかで解釈します。距離が近いほどその願いは叶いやすく、距離が遠ければ、その願いが叶うのには時間がかかると考えられるでしょう。
ここで注意したいのは、悩みやトラブルをキーカードにした場合です。本人カードとそのキーカードが近ければ近いほど、難しい状況だと解釈できそうです。
たとえば、厳しい上司と本人の関係について占う場合、キーカードをクマにします。クマのカードと本人カードの距離が近いと、かなり強いプレッシャーを与えられていると考えられそうです。顔が向き合う配置になると、なおさらです。
② 本人カードからキーカードへ至る道筋に注目します。
本人カードからキーカードへ至る道筋の途中に、どのようなカードがあるかによって、助けられたり大きな壁があったりすることがイメージできるでしょう。
たとえば、犬のカードがあれば友人に助けを求めたり、助けられたりすることが考えられ、山のカードがあれば乗り越えるべき課題があると考えられます。
③ キーカードの位置が、本人カードのどちら側にあるかに注目します。
キーカードが本人カードの顔が向いている方にある場合は、目標が定まっているようです。キーカードが本人カードの後ろ側にある場合は、問題を明確に意識できていない可能性がありそうです。
④ キーカードの位置が、本人カードより上か下かに注目します。
本人カードより上にキーカードがある場合は、受け身な状況だと言えそうです。本人カードより下にキーカードがある場合は、願いを叶えるための本人の行動が大切になってくるでしょう。本人カードとキーカードが同じ段にある場合は、それぞれが影響しあうと言えるでしょう。
⑤ 本人カードに接している、上下左右のカードに注目します。
本人カードの目の前にあるカードは、本人にとって最も大切なことだと考えられます。本人カードの後ろ側にあるカードは、本人が気づいていないことや、目を背けたいことのようです。
本人カードの上にあるカードは、現実に気になっていることや頭から離れないこと、下にあるカードは本心や内面の状態だと考えられるでしょう。
本人カードの斜めに位置するカードについては、状況に応じでリーディングします。
⑥ ⑤と同様にキーカードについても注目します。
実占例:グランタブローで恋愛について占ってみる
例として、恋愛についてグランタブローで展開したのがこちらで、女性から特定の男性との恋愛についての質問としています。
先ほどの手順を参考に、リーディングしてみましょう。
① 本人カードとキーカードのハートまでは2枚で距離はかなり近く、相手カードとキーカードの間は1枚だけですので、お互いが恋愛関係になるのは間近だと感じられます。
② 2人の道筋を矢印で示しました。
女性には2通りの道すじが示されています。どちらを選ぶかは、その間にあるカードで解釈しますが、この場合はどちらかに大きな障害があるわけではないようです。もし女性が決断できないなら、信頼できる人を頼ることもできるでしょう。
③ キーカードのハートのカードは、本人カードと相手カードの両方のカードの顔が向いている方にありますので、お互いが恋愛を望んでいると解釈できそうです。
④ キーカードは本人カードより下に出ていますので、女性の行動が鍵を握っているようです。
⑤ 本人カードの目の前には鍵のカードがあり、チャレンジすることを促しています。本人カードの後ろ側には雲のカードがあり、不安を感じていますが、白い雲が接していますので、心配することはありません。本人カードの上にある騎士のカードは、相手からの連絡が気になっていることを表し、下にある道のカードは迷いを暗示しているようです。
⑥ 相手カードの目の前の鎌のカードは、後ろ側にある錨のカードが表す仕事を、いったん断ち切ることを表していると解釈できそうです。相手カードの上の手紙のカードは、女性へメッセージを送ろうとしていると言えそうです。
以上のことから、質問者の女性はその男性とつきあうことを決断してアクションを起こすか、信頼できる人に気持ちを伝えてもらうことが願いを叶える道すじだと解釈できそうです。
相手の男性が恋愛に発展するために必要なのは、仕事と恋愛を切り離して考えることだと言えそうです。
2人が恋愛関係に発展する可能性はかなり高い、との暗示だと解釈できるでしょう。
このグランタブローで、紳士のカードは一番下の列に出ています。一番下の列に人物カードがある場合、現実でやるべきことが多すぎて、余裕がないと読むことができ、一番上の列に人物カードがある場合は、未来への展望が描けていない状況だと言えるでしょう。
グランタブローは難しいという印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、距離が近いか遠いか、本人カードとキーカードの上下を確認するだけでも、ルノルマンカードからのメッセージを受け取ることができるでしょう。
では、グランタブローをもっと詳しくリーディングができるようになるスプレッドをご紹介します。
5枚引きのスプレッド
5枚引きのスプレッドは、キーカードの上下左右にカードを配置し、その位置に与えられたテーマをリーディングする方法です。
5枚引きでリーディングするときは、最初に本人カードを取り出しておきます。質問者が女性なら淑女のカード、男性なら紳士のカードになります。
質問内容を決め、シャッフル、カットをしたカードを扇形に並べ、4枚抜き出して、本人カードの上から時計回りに順番に配置します。
または、シャッフル、カットしたカードの束から上から数えて7枚目を、順に4枚配置する方法でもかまいません。
5枚引きのスプレッドは、その位置によって暗示する内容が異なります。
- 現状
- 過去
- 本心
- 未来
カードの顔が向いている方を未来とした場合、淑女のカードと紳士のカードでは、過去と未来が逆になりますので注意しましょう。
5枚引きのスプレッドを繰り返し練習していけば、ルノルマンカードの1枚1枚の意味をつかみ、カードがどこにあるかによって、受けとるイメージが異なることを感じられるようになるでしょう。
先ほどのグランタブローを利用してリーディングしてみます。
現状は騎士のカードで、彼女はメッセージを待っている状況でしょう。
過去は雲のカードで、彼女は不安に思うこともあったようです。
未来は鍵のカードで、彼女の将来は明るい展開が期待できそうです。
本心は道のカードで、彼女は心の奥に迷いがあるけれど、決断しなければならない時だと考えられるでしょう。
このスプレッドを利用して、先ほどのグランタブローの紳士のカードをリーディングします。
過去は錨(いかり)のカードで、彼は仕事に熱中していたのかもしれません。
未来は鎌(かま)のカードで、彼は断ち切ろうとしているようです。
現状は手紙のカードで、彼は連絡を取ろうとしていると考えられるでしょう。
実占例:5枚引きで今日の運勢を占ってみる
5枚引きで、今日の運勢を占ってみましょう。
本人カード(女性なら淑女のカード、男性なら紳士のカード)を先に取り出します。残りのカードをシャッフル、カットして扇形に並べ、1枚ずつ順に本人カードの上から時計回りに配置します。
1枚目の子どものカードは、今日のテーマを表します。
2枚目の花束のカードは今日の午後を、3枚目のネズミのカードは今日のヒントを、4枚目の星のカードは今日の午後を暗示しています。
今日は何か新しいことが起こりそうです。午前中は目標が明確になったり、目標を新たにしたりするような気持ちになりそうです。午後は嬉しい出来事もありそうです。ヒントにネズミのカードがあるので、金銭的な問題の解決が目標の達成につながりそうです。
3枚引きのスプレッド
カードについてのイメージを深めるための、3枚引きのスプレッドをご紹介します。
どんな質問でもかまいませんが、おすすめは今日に関することです。今日の仕事や学校、お出かけ、デートなど今日のスケジュールを想像して占ってみましょう。
シャッフルしてカットしたカードを扇形に並べ、そこから3枚引いて、表に向けて並べます。 並べる順番は決まっていませんが、毎回同じように並べる方が良いでしょう。
実占例:3枚引きで今日の仕事について占ってみる
例として、今日の仕事について占ってみましょう。
船は新しい展開、花束は嬉しいこと、クローバーはラッキーです。
以上のことから、今日の仕事は新しいことへのチャレンジが必要になりそうですが、幸運に恵まれてうまくいき、周囲の人たちからの称賛も得られると解釈できるでしょう。
人によっては、出張の可能性や、遠方の営業先へ出向くこともあるかもしれませんが、うまくいきそうです。
朝はバタバタして時間がない場合も多いでしょうから、夜になって落ち着いてから今日1日を思い出すのも占いの練習にはおすすめです。慣れるにつれて、そのカードが意味している出来事が浮かぶようになるでしょう。
まとめ
ルノルマンカードの占い方で、グランタブローにチャレンジしながら、カードの位置による読み方やカードの意味を覚えていく方法をご紹介しました。
グランタブローをリーディングできるようになるには、カードに慣れることが一番ですが、ルノルマンカードに限って言えば、枚数の少ない方がリーディングしやすいとは限りません。
特に人間関係などは、36枚すべてを並べる方がお互いの関係性が見えると言えるでしょう。
ルノルマンカードは、カードの絵柄そのままを、ストレートに現象に当てはめることができますので、難しく考え過ぎない方がうまくいく場合も多いようです。
この記事を参考に、ルノルマンカードのグランタブローを楽しんでいただけたなら幸いです。